artjunkie 2025年4月24日

MOTプラス「コレスポンデンス」——サウンドウォーク・コレクティヴ & パティ・スミス

MOT Plus "Correspondence" - Soundwalk Collective & Patti Smith 開催予定

イベント詳細

東京都現代美術館の新プロジェクト「MOT Plus」の第一弾として開催される展覧会『コレスポンデンス』は、現代音響芸術集団サウンドウォーク・コレクティヴとアーティストで詩人のパティ・スミスによる、約10年にわたる創造的な対話の集大成である。2025年の東京都現代美術館開館30周年を記念し、実験的な表現を追求する「MOT Plus」シリーズの幕開けとして、両者が紡ぐ詩と音、映像による壮大なオーディオビジュアル・インスタレーションが、ここ日本で初公開される。

本展の核となるのは、サウンドウォーク・コレクティヴによるフィールドレコーディングとサウンドデザイン、パティ・スミスの詩と声、そしてそれらが呼応する8本の映像で構成された没入型のインスタレーションだ。《Pasolini》《Medea》《Children of Chernobyl》《The Acolyte, the Artist and Nature》《Cry of the Lost》《Prince of Anarchy》《Mass Extinction 1946–2024》《Burning 1946–2024》と題された映像作品は、原発事故、森林火災、動物の絶滅など現代社会が直面する課題を見据えつつ、芸術家や革命家の思想にインスパイアされた複数の物語を展開する。

展示空間は、訪れる者を約2時間におよぶ音と映像の旅へと誘う。複数のスクリーンに投影される映像が響き合い、空間全体を詩的な共鳴で包み込む。ライトボックスでは、パティ・スミスの手書きの詩やドローイング、フィールドレコーディングの現場から持ち帰られたファウンド・オブジェ、科学データなどが展示され、彼らのリサーチと創作の過程を視覚的に追体験できる構成となっている。

また、本展では日本での滞在制作を通じて新作が発表される予定だ。展覧会の舞台となる東京という土地の歴史や文化的風景と向き合い、ここだけの特別な表現が生まれる。これにより、展覧会そのものが“生きている”プロジェクトとして、開催期間中にも進化を続けることが期待される。

このプロジェクトの背景には、ベルリンを拠点に活動するサウンドウォーク・コレクティヴの緻密なリサーチと表現への執念、そして1975年の伝説的デビューアルバム『ホーセス』以来、詩とロックを横断し続けてきたパティ・スミスの揺るぎない創作意志がある。彼女は今なお、音楽、文学、美術において表現の新たな可能性を探り続けており、本展はその最新の成果でもある。

なお、会期中には両者によるアーティストトークも予定されており、観客は創作の内側に触れる貴重な機会を得ることができる。詳細は東京都現代美術館のウェブサイトやMODE公式Instagramで随時発表される。

世界各地を巡ってきたこのプロジェクトが、東京という場所でどのような新しい“コレスポンデンス=往復書簡”を生み出すのか。その行方を、ぜひ会場で確かめてほしい。

出品予定作家:
サウンドウォーク・コレクティヴ、パティ・スミス

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イベント情報

開催期間

2025/04/29 - 2025/07/21

入場料

一般1,800円(小学生以下無料)
※詳しくは公式サイトにてご確認ください。